突然ですが、コレ覚えていますか?
かんじき…?納豆…?釜飯のフタ……???
いえいえ、正解は…版画で使う馬楝(ばれん)です!
小学校の頃スリスリやった!と世代を超えて懐かしい品ではないでしょうか。簡単なようで、なかなかチカラと根気のいる作業なんですよね。
版画というと、小学校で教わる紙版画や、彫刻刀を使って彫る木版画のイメージが強いですが、実はとても奥が深??いんです。
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先日、松島正幸記念館で開催中の「版画の可能性を探る展」にいってきました!!
ピンク色が印象的なこちらのポスター。
まなみーるにも、チラシが置いてありますのでぜひチェックしてみてください。
中に入ると、館長の白井万寿子さんがお出迎えしてくださいました。
初めてお会いしたのですが、とても明るく気さくな方で、トークもべらぼうに面白い。あまりにもお話上手なので、思わず前職をお伺いしたところ、元は小学校の校長先生をされていたそうです。なるほど!!
突然お伺いしたのにも関わらず、館内を一緒に回りながら全作品を解説してくださいました。ありがとうございました!
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2階にあがり、まず目に飛び込んで来たのは、
天井から下がる巨大な作品!!!
滝のようにも竜のようにも見える不思議な作品です。
ぐるぐる??と渦を巻くように配置されたものも…!
こちらの作品は触ってもOKだそうで、観に来た子どもたちにそのことを伝えると巻かれた紙の中にかわるがわる入ってしまったそうです!!子どもたちの想像力は本当におもしろい。
さて、こんなに大きな作品が一体どうやって作られたのか気になりますよね。まさか…馬楝で?よーく説明書きを見てみると…。
はて、外…
んん???男性が何かやっていますね…?
地面の色が違うような…??
後ろに車……………?????
さて、わかりましたか…?
そう!
なんと、地面に塗ったインクの上に紙を置き、車で何度も何度もその上を往復して刷ったのだそうです。
ちょうど車のタイヤが馬楝の役割をしているんですね。
なんという発想力。驚きです!!!
この方のご職業がさらに興味深かったので、それはぜひ会場に足を運んだ際に、こっそりと聞いてみてくださいね。
続いては、シンプルな三角形で構成された作品。
どれも同じようで向きが違ったり、色が違ったり、観れば観るほど愛着が沸いてくるような大変可愛らしい作品でした。こちらは、シルクスクリーンという技法が使われているそうです。
最近はシルクスクリーンを使ってTシャツを自作してしまう方もいるんですよ。これも版画、とっても面白いですね。
最後に、カラフルな着物が目を引くこちらの作品をご紹介します。
ピンクに赤に水色にオレンジ!!
なんと鮮やかな色使いでしょう。
絵画ではないかと疑ってしまいますが、正真正銘の版画。
しかも皆さんご存知の「木版画」なのだそうです。
この作品を制作した木村多伎子さんは、御年89歳を迎えるそうです。実は、まなみーる市民会館・館長のお母様でもあります。館長曰く、現在もバリバリ作品を作り続けているそうですよ。
木版画というと、学校で刷った黒色一色のイメージが強いですが、多色刷りといって何色もの色を使用する場合もあるそうです。でも、制作工程は、ほぼ同じ。色を変え、何度も同じ紙に刷るのですから、その色数の多様さに驚嘆してしまいます。
ご紹介した作品のほかにも、銅版画という技法の作品など、「版画」と一口に言っても、どれ1つとして同じものはなく、とても充実した展示でした。まさに「版画の可能性を探る」展!!
会期は、12月11日(金)?1月19日(火)まで(水曜定休)
ぜひ一度足を運んでみてくださいね。
また、常設の松島正幸さんの油絵もとても素敵でした。戦後の札幌の町並みから、海外へ渡ったあとの色使いの変遷など、お話を伺うと作家さん自身をより身近に感じることが出来ました。かのレオナール・フジタこと藤田嗣治さんの言葉を受け、生涯仕事を持たずに、画家として妻と子を養ったというお話も衝撃的でした。そのことが記された肉筆の原稿用紙も展示されておりますので、ご一読あれ…!!
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岩見沢市絵画ホール・松島正幸記念館
岩見沢市7条西1丁目7
<開館時間> 10:00?18:00
木曜のみ13:30?18:00
<休館日> 水曜日、祝日の翌日
<入館料> 一般210円
高校・大学生150円
中学生以下無料
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